
Kaori Nakao
大きくなるまでにやっておくこと
大きくなるまでって幾つのこと?社会人になるまでということかな? ただ生きているだけで経験とは積むもの。加齢万歳である。だって生き続けて来たんだから、20歳の子よりはなんらかの経験は多いはず。
でも仮に、80歳まで生きたとしても、してこなかった経験があれば、20歳でそれを経験している子にはかなわないこともあるだろう。
そういう意味で、大きくなるまでに経験しておくと楽になる、ちょっと役に立つことを考えてみた。
なぜならば若いスタッフの多くがいろいろ悩んでいる。
それはその年代には当然の悩みであり、悩むことは素晴らしいことで、それが若さであり、こちらからしたら全くもって羨ましいところでもあるのだが、当人たちは苦しい最中にもいる。そんな若者たちが大人になるまでに経験しておくときっと役に立つことがある。どんなに頑張ったって30年もの経験を一気に超えることは出来ないのだから、そこで悩んでも仕方ない。そんなことは百も承知なのだが、どうしても上を見て下を見て、また上を見て人と比べて悩むことが多い。しかし、だんだん歳を取ると、「人と比べても仕方ない」というこの言葉に行動が伴ってくる。
要するに図々しくなる。
それまでに経験しておくと、図々しくなれる前にちょっとだけ楽になるはずなのは、、、、
【大恋愛!!】
これは絶対だと思っていたりする。人の気持ちは、他人にはどうにもすることは出来ないことを思い知る絶好のチャンスだ。自分が愛の限りを伝えても届かないこともある。相手が精一杯の愛をぶつけて来ても応えられないこともある。届かない苦しさも、断る苦しさも、はたまた実った喜びも破綻した悲しみも、必ず心を豊かにしてくれる。
【大ピンチ!!】
これは、ピンチをチャンスに変えられるかどうかの経験を積むことはこの上ない人生経験になるから。人は大ピンチに出会って、泣いて喚いて嘆いて挫けて、、、、それでもそのままでいられる生き物ではないはず。そのままは嫌だと思うから、どうにかするはずだから。その「どうにかしたことあるよ」ってとこが実に良い経験なのだ。それがどうにかしたけどまたダメで、、、それに対してまたこうしたけど、、、なんて経験はもうお金払ってでもしたいような貴重な貴重な経験になるはず。少々コテンパンになったことがあって、今元気な人は強いよ。
【死にそうになる(でも生きている)】
死にそうな目に合う。死にそうなほど痛いとか、死にそうなほど辛いとか、上の大ピンチにもの匹敵するのだが、(でも生きている)ここが大事。死にそうなほど、ヒヤッとすることは、その先の想像力がグッと膨らむ。その先とは、死んでしまうこと。だ〜か〜ら〜どうしておけば良かったのか、その先には行ってはいけないので、そうしないために、だ〜か〜ら〜どうしておけば良いのか。そういう目にあった人にしか、気をつけることが出来ない領域。それを知っていると、そこまではチャレンジ出来る。そうすると、チャレンジする幅、高さが全く違ってくるはずだから。
大学生から「今まで誰かのいうことを聞いて、言われた通りにきちんとやっていたら、「良い子」と言われて来たのに、社会に出たら「自分で考えて行動しろって言われて困った」という話を聞いた時に、「それは、大人が悪いよね。ごめんなさい」と謝ったことがある。本当に上に書いたような経験もさせずに(大恋愛だけは難しいけどね)箱に入れて、危なくないように、レールを敷いて、その上だけを歩ませて来たのにね。
その大人の閉じ込めようとする箱を打ち破って出て来ちゃうような人は、きっと上記のような経験をするだろう。いい子で箱を破ろうとしないで来た人は、これからでもいいから、自由に生きられたらいいのにな。
そうは言っても周りの大人も力づくで箱に入れ込もうとするはずだから、箱から出るのもパワーがいる。でも、そこで負けないで、そして温存しないで、はっちゃけて欲しい。
自分のやりたいことがあるのなら。 大人になるまでにやっておくこと。
要するに、子どものうちに子どもらしく生きること。 これを大人は潰しちゃいけない。